このレビューは左翼的かなぁ
★★★★★★
★★★★★★
★★★★★★
★★★★★★
カスタマーレビュー
170 人中、62人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
反日的ドイツに対する安倍シンパの鬱憤晴らし?,
投稿者
レビュー対象商品: ドイツで、日本と東アジアはどう報じられているか?(祥伝社新書) (新書)
興味深いタイトルに惹かれて一気に読ませてもらったのだが、著者のかなり右翼チックな解説には初めから終わりまで辟易とさせられた。著者は安倍シンパであることを隠していない。しかしドイツのマスコミは安倍総理にきわめて冷たく、ほとんど年中批判ばかりしているので、著者としては無性に腹立たしく、おそらくその不満が高じてこの本を書くことになったのであろう。要するに、この本は著者の反日的なドイツ・マスコミに対する鬱憤晴らしのような他愛のない本なのであるが、著者の意図とは別にわれわれが日ごろ接する機会のないドイツ・マスコミの日本評を知る上では貴重な本である。著者にとっては憤懣やるかたないほど偏向していると思われたのかもしれないが、ここに紹介されたドイツ・マスコミの日本批判は決して著者がいうようにひどいものではない。むしろそのほとんどは冷静かつ客観的なものであり、その分析力と情報収集力は驚くほど正確である。もしこれが逆であれば、日本のマスコミが果たして遠い国(近い国でも同じだが)の政治をこれほど正しく伝えるであろうかと非常に疑問に思う。著者がドイツ・マスコミを偏向していると感じるのは、情緒的ナルシズム的なナショナリズム(著者はそれを「愛国心」だと思っているらしい)から来るものであり、日本を批判されることは即自分を批判されることだと受け取って感情的に反発しているにすぎないのではないかと思われる。
以下、本書に対する若干の疑問点を指摘しておきたい。 まず著者はドイツ・マスコミのヒステリックな報道の証拠として3,11後のドイツ人の反応を例にあげて批判しているが、おそらくこの著者は3.11原発危機の何たるかも分かっていないのではないかと思われる。3.11後、ドイツの新聞などではすぐに日本を脱出しなければというパニック報道が起こった。これはドイツ人の原発ヒステリー症の例としているわけだが、しかしあの当時、日本では何が起こってもおかしくない本物の危機があったということについて著者はまったく分かっていない。もしあのとき原子炉の冷却に失敗すれば格納容器が爆発していた可能性は非常に高くあった。もし現実にそうなっていたら、東日本一帯は数百年間人が住めない地域になっていたであろう。格納容器が爆発しなかったのはむしろ幸運な偶然の結果であり、決してその危機はなかったとはいえないはずである(いうまでもなくその潜在的危機は現在でも続いているのだが)。 次に著者は3.11をきっかけに脱原発に舵を切ったドイツ人が、こともあろうにその恐るべき事故の当事国である日本で原発再稼働派の政党が国民の圧倒的支持を集めて政権についたということを信じられないとしているのを逆に批判している。しかし3.11がきっかけで脱原発を選択したドイツを責めるのはどうかしているのではないか?あれほどの事故を起こした国で、しかもその事故がいまだ収束したとはいえない状況で、さらに世界一の地震大国でありながら、原発再稼働派に政権を渡すというのは、一体、どういう選択なのか?これは原発ヒステリーのドイツ人でなくても「日本=不思議の国」と映ってもいたしかたあるまい。 現在のドイツ人の日本批判の根底には先の戦争をいまだに自衛戦争だったとかいってごまかし加害国であったという反省と罪意識を欠如していることがドイツ人には信じられないのである。これは当然のことであろう。しかしこの著者にはユダヤ人を殺したドイツと一緒にされたくはないというのである。実際、現在の安倍総理をはじめその周辺の人物はいまだに自衛戦争論を固持しているので、安倍シンパとしては当然その方があたりまえだと思っているのであろう。 著者はドイツ人がいう南京での虐殺事件も実際には誇張であると信じているらしいのだが、その根拠として虐殺否定派の東中野氏の本をドイツ人に読ませたいなどと書いている。これには唖然とした。東中野氏の本では南京でいわゆる便衣兵の処刑が行われたことに対してハーグ陸戦規定に則り合法であったというとんでもない解釈をしている人物である。そんな本をドイツ人が読めば、これはユダヤ人の虐殺を合法だったというのとほとんど同じ理屈だとみなされるであろう。こんな論理は世界中どこにも通用しない論理であり、日本でも秦郁彦氏や北村稔氏をはじめ右派の研究家からも批判されているのをご存じないのか?ちなみに著者は従軍慰安婦問題で秦郁彦氏の研究を例にあげて世界中に慰安婦制度はあったとして日本を弁護しているのであるが、その秦郁彦氏が自著(「南京事件」中公新書)の中で日本が中国人に対して行った虐殺とナチがユダヤ人に対して行った虐殺のどちらが悪いかということは一概にいえないと明確に語っているのをご存じないのであろうか? 著者も認めるように、現在の安部政権に対する右傾化批判はなにもドイツだけではなく、アメリカにおいても厳しい批判が底流として存在し、しかもそれは民主党だけではなく共和党内にも安倍批判が強くある。その結果、現在の日本は「戦争をいまだに反省していない手前勝手な国」として世界中からみられているという事実が存在する。これは著者がいうように決して単なる周囲の誤解ではなく、むしろそれこそが世界標準であるという事実を受け入れなければ、日本はこの先も孤立を深めるだけであるということは間違いないであろう。著者にはぜひこのあたりまえの事実に気付いてほしい。 コメント
並べ替え: 古い順 | 新しい順
このトピックの全投稿14件中1件から10件までを表示
最初の投稿: 2013/12/14 10:51:08 JST
貴方が星5つを付けた本を見てみると...いやぁ実に分かりやすいですねぇ
あなたの頭の中では脱原発=正義の図式が既にあり、異論は認めないという事ですね。そも どの人物がどういっているかではなく、1次資料を調べてみれば南京大虐殺が存在しないこ 一、 故毛沢東党主席は生涯に一度も、「南京虐殺」ということに言及していない。毛先生が南京 二、 南京戦直前の1937年11月に、国共合作下の国民党は中央宣伝部に国際宣伝処を設置し 三、 南京安全区に集中した南京市民の面倒を見た国際委員会の活動記録が「Documents of the Nanking Safety Zone」として、国民政府国際問題研究所の監修により、1939年に上海の出版社から 四、 さらに「Documents of the Nanking Safety Zone」には、日本軍の非行として訴えられたものが詳細に列記されているが、殺人はあ 五、 南京虐殺の「証拠」であるとする写真が南京の虐殺記念館を始め、多くの展示館、書籍など 最後に、他国から批判があるから安倍政権は右傾化しているという批判は論外。そもそもア あなたは権力のある人物と寝て、それを誇る売女となんら変わりません。
投稿日: 2014/03/17 23:12:46 JST
今日この本を知りました。iwannoahoさんとヨシオさんのコメントを読ませて頂き
漏れ聞くところによると、原子炉でいまなにが起こっていのか、ではどうすればいいのかが 福島のことは別として、ドイツのことです。最近少しドイツの責任問題を読んでいます。私 ドイツは民族と言語は西欧ですが、その歴史は西欧史より東欧史に近いとは言われています ヴァイツゼッカーはドイツ人がやったことを一部のゴロツキのせいにして、一般のドイツ人 戦後の冷戦の主たる舞台はヨーロッパ。それもドイツがその中心だったわけです。アメリカ 東欧やロシア人に対するそうした罪は、たまたまそうした罪を犯したドイツ人個人個人の問 だが、ドイツ人ほど権威主義的つまり権威に従順で、集団主義的で、反個人主義的なヨーロ こうした主観はドイツのロマン主義です。あの戦争についても評価しない、つまり善悪を論 Documents of the Nanking Safety Zoneはインターネットか何かで読めるでしょうか。また国民党国際宣伝処の秘密文書な
前の投稿への返答(返答日時: 2014/03/21 23:02:37 JST )
投稿者により編集済み(最終編集日時:2014/03/21 23:15:49 JST)
ヨシオちゃんさんへ
あなたの投稿に気づくのが遅かったので遅れましたが、以下あなたの質問(?)にランダム 脱原発について 私は一昨年夏の大飯原発のときは再稼働派でした。これは池田信夫氏の書物に対する私の書 南京の虐殺について >1次資料を調べてみれば南京大虐殺が存在しないことは明明白白… 一次資料の意味がまったく分かっていないのではないですか?1次資料というのは、その当 このように定義される1次資料は豊富にあり、特に秦郁彦氏が集めた日本軍兵士の従軍日誌 >「南京の人口は日本軍占領直前20万人、その後ずっと20万人、占領1ヵ月後の1月に これはまぼろし派が必ずいうことですが、ほとんど意味がありません。なぜならここには南 >毛沢東党主席は生涯に一度も、「南京虐殺」ということに言及していない あたりまえです。当時毛沢東は中国奥地に逃げており日本軍と中華民国軍の戦争を傍観して >ただの1点も南京虐殺を証明する写真は存在しないことが明らか これもあたりまえです。当時カメラをもっている人は一部の国際安全区委員以外、南京市中 >「Documents of the Nanking Safety Zone」には、日本軍の非行として訴えられたものが詳細に列記されているが、殺人はあ ラーベの日記をみても同じですが、虐殺は安全区内では行われていません。彼らはすべて人 >他国から批判があるから安倍政権は右傾化しているという批判は論外 最近になって安倍内閣は南京の虐殺を公式に認めう発言をしています。これは勉強会で事実
前の投稿への返答(返答日時: 2014/03/22 0:36:42 JST )
投稿者により編集済み(最終編集日時:2014/03/22 1:38:11 JST)
[多くのお客様がこの投稿は参考にならなかったと投票しています。 投稿を表示する.]
前の投稿への返答(返答日時: 2014/03/23 0:36:15 JST )
南京での虐殺がなかったなどと言うつもりはありません。あれは中国の便衣隊が一般中国人
当時フランスでは3万人が、アメリカでは4万人が殺されたと報じられていたようです。だ ドイツ人のまわりには中国人のような国民がいなくて、ドイツは幸運です。ポーランド人が ドイツの戦争責任については、あなたとはまったく違う考えかつ評価をしています。またド あの戦争処理について、戦争責任について、日本人のほうがドイツ人よりはるかに立派だっ 中央公論昭和38年10(11?)月号の例の対談の一部の写しをもっていました。長いの 猪木:反ナチ問題をもってくれば(東ドイツが)西ドイツより強いですからね。 大宅:西ドイツにはナチがおるわけですか。 猪木:おるどころじゃないですよ。官僚の九割はナチ協力者だったからですからね。ドイツ 林健太郎:(以下趣旨要約。ドイツにいるとき、ドイツの本屋から大平洋戦争前史を書けと 西ドイツでは戦後すぐ復興と共産圏側の脅威に対抗するために、脱ナチ化などほとんどして ある記事のコメントで、おそらくポーランド人でしょうが、ドイツの謝罪は対ユダヤ人の対 ついでですが、東欧地域で広汎に、女性にドイツの工場か農場で働くか(ドイツも戦争で人 二十年前ぐらい日本のテレビ番組でしたが、ドイツの元慰安婦の女性が日本だけで放映する またドイツは負け戦の最中あるいは戦後まもなく東欧の占領地域からドイツ人が引き上げる ドイツ人とはそういう民族なのです。「ドイツロマン主義とナチズム」という本に、西の名
前の投稿への返答(返答日時: 2014/03/30 16:51:01 JST )
投稿者により編集済み(最終編集日時:2014/03/30 17:05:01 JST)
西さんへ
遅くなりましたが、あなたの再度の投稿に対して返答いたします。 >中国の便衣隊が一般中国人のなかに入り込み、なおかつ日本軍を攻撃したというきっかけ 1937年12月13日に5万人を越える日本軍が南京に入城したとき、一時的にもせよ便 >当時フランスでは3万人が、アメリカでは4万人が殺されたと報じられていたようです… 安全区代表ラーベの説では5万人、右派の秦郁彦氏の説では約4万人とされます。ただし、 >あの戦争処理について、戦争責任について、日本人のほうがドイツ人よりはるかに立派だ 鈴木貫太郎内閣の戦後処理についてはある程度同意できますが、ただポツダム宣言受諾の決 >猪木:おるどころじゃないですよ。官僚の九割はナチ協力者だったからですからね。ドイ ドイツも日本もほとんどの国民が軍部を熱烈に支持し支えていたわけですから、戦後に政権 補足:私が以前に投稿した山本七平氏の文章の補足資料を紹介しておきます。ちなみに以下 本多勝一氏の話 「南京虐殺が行われていた当時、私はまだ幼児でした。おっしゃるように、たしかに一般人 以下はこの本多発言に対する山本七平氏(又はイザヤベンダサン)の批判です。 ここでまず教会闘争の人々およびブラント氏の「自明」からはじめましょう。両者の背後に 一見、奇妙な考え方と思われるかもしれません。しかし、この罪責を栄誉と置き換えてみれ 少なくとも聖書の世界では、これを最も恥ずべき態度と考えますので、ブラント氏がもしワ 罪なき者が他人の罪を負って砕かれる。この時はじめて、負った人は負わせた人々を同胞と もうひとつ例をあげます。ナチが降伏した直後、強制収容所から解放されたドイツ人があり
前の投稿への返答(返答日時: 2014/03/31 10:29:16 JST )
ご回答ありがとうございます。
ブラントは反ナチ抵抗運動の英雄です。しかし、ある人(たぶんポーランド人)が言ってい 日本軍への支持ですが、この点についてもあなたの考えには同意できません。ナチは政権を 日本の昭和の軍国主義といわれているものは、まったく違います。まず日本陸軍は日本唯一 ということは、あの日中戦争が起こらず、あるいは拡大しなかったなら、軍国主義ムードも また天皇のうえに立とうともしたわけではありません。明治憲法範囲内で活動をしなくては ナチは予定どおり戦争を開始遂行しますが、日本陸軍は中国との戦争から足を洗いたかった また社会生活をナチドイツと軍国日本とで比較してみても、日本の社会生活はドイツや中国 戦況がおもわしくなくなると、東条は退陣せざるをえませんでした。ヒトラーは最後まで退 戦況により陸軍の発言権が弱くなり、陸軍の信頼が失墜し始めると、他の組織が終戦敗戦の ナチといわゆる日本の軍国主義ですが、その起源と成立の過程がまったく違います。ナチは 外交政策も、ナチは思い切った政策、大胆な政策をとりますが、日本はとても慎重だったの こうした実態が世界では知られていませんし、また日本でも知られていません。これは一つ
前の投稿への返答(返答日時: 2014/04/05 20:22:44 JST )
投稿者により編集済み(最終編集日時:2014/04/05 21:38:56 JST)
西さんへ
ドイツについては先に書いたとおり、私はほとんど事実を知りませんので、これ以上論争す >ナチは予定どおり戦争を開始遂行しますが、日本陸軍は中国との戦争から足を洗いたかっ このあなたの書き込みは保守派の論客によく見受けられますが、この認識はまったく間違っ この上海事変の勝敗が決した段階で蒋介石は日本側の和平案を受諾する意志を固め、これを これについて山本七平氏は次のように語っています。「日本人が過去の経験において絶対に ちなみにこの和平案とは3つの条件から成っていました。(1)華北において反日行動を慎 たしかに、あなたもいうように日本側は中国全土を占領するという意志をもっていなかった この結果、アメリカらがABCD包囲網を形成して日本を貿易的に孤立させ、窮地に追い込 補足: 日本には領土的野心はなかったというあなたの論は上記の点からも間違いであることは明ら
前の投稿への返答(返答日時: 2014/04/06 12:04:45 JST )
あなたと私の考えは案外近いかもしれません。日本は100%正しかったといったつもりは
日本はあの戦争をしなくても済んだ戦争です。その戦争をしてみずからを滅ぼすのですから |
Amazon.co.jp: ドイツで、日本と東アジアはどう報じられているか?(祥伝社新書)の julieisbestさんのレビュー
カスタマーレビュー
170 人中、62人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
反日的ドイツに対する安倍シンパの鬱憤晴らし?,
投稿者
レビュー対象商品: ドイツで、日本と東アジアはどう報じられているか?(祥伝社新書) (新書)
興味深いタイトルに惹かれて一気に読ませてもらったのだが、著者のかなり右翼チックな解説には初めから終わりまで辟易とさせられた。著者は安倍シンパであることを隠していない。しかしドイツのマスコミは安倍総理にきわめて冷たく、ほとんど年中批判ばかりしているので、著者としては無性に腹立たしく、おそらくその不満が高じてこの本を書くことになったのであろう。要するに、この本は著者の反日的なドイツ・マスコミに対する鬱憤晴らしのような他愛のない本なのであるが、著者の意図とは別にわれわれが日ごろ接する機会のないドイツ・マスコミの日本評を知る上では貴重な本である。著者にとっては憤懣やるかたないほど偏向していると思われたのかもしれないが、ここに紹介されたドイツ・マスコミの日本批判は決して著者がいうようにひどいものではない。むしろそのほとんどは冷静かつ客観的なものであり、その分析力と情報収集力は驚くほど正確である。もしこれが逆であれば、日本のマスコミが果たして遠い国(近い国でも同じだが)の政治をこれほど正しく伝えるであろうかと非常に疑問に思う。著者がドイツ・マスコミを偏向していると感じるのは、情緒的ナルシズム的なナショナリズム(著者はそれを「愛国心」だと思っているらしい)から来るものであり、日本を批判されることは即自分を批判されることだと受け取って感情的に反発しているにすぎないのではないかと思われる。
以下、本書に対する若干の疑問点を指摘しておきたい。 まず著者はドイツ・マスコミのヒステリックな報道の証拠として3,11後のドイツ人の反応を例にあげて批判しているが、おそらくこの著者は3.11原発危機の何たるかも分かっていないのではないかと思われる。3.11後、ドイツの新聞などではすぐに日本を脱出しなければというパニック報道が起こった。これはドイツ人の原発ヒステリー症の例としているわけだが、しかしあの当時、日本では何が起こってもおかしくない本物の危機があったということについて著者はまったく分かっていない。もしあのとき原子炉の冷却に失敗すれば格納容器が爆発していた可能性は非常に高くあった。もし現実にそうなっていたら、東日本一帯は数百年間人が住めない地域になっていたであろう。格納容器が爆発しなかったのはむしろ幸運な偶然の結果であり、決してその危機はなかったとはいえないはずである(いうまでもなくその潜在的危機は現在でも続いているのだが)。 次に著者は3.11をきっかけに脱原発に舵を切ったドイツ人が、こともあろうにその恐るべき事故の当事国である日本で原発再稼働派の政党が国民の圧倒的支持を集めて政権についたということを信じられないとしているのを逆に批判している。しかし3.11がきっかけで脱原発を選択したドイツを責めるのはどうかしているのではないか?あれほどの事故を起こした国で、しかもその事故がいまだ収束したとはいえない状況で、さらに世界一の地震大国でありながら、原発再稼働派に政権を渡すというのは、一体、どういう選択なのか?これは原発ヒステリーのドイツ人でなくても「日本=不思議の国」と映ってもいたしかたあるまい。 現在のドイツ人の日本批判の根底には先の戦争をいまだに自衛戦争だったとかいってごまかし加害国であったという反省と罪意識を欠如していることがドイツ人には信じられないのである。これは当然のことであろう。しかしこの著者にはユダヤ人を殺したドイツと一緒にされたくはないというのである。実際、現在の安倍総理をはじめその周辺の人物はいまだに自衛戦争論を固持しているので、安倍シンパとしては当然その方があたりまえだと思っているのであろう。 著者はドイツ人がいう南京での虐殺事件も実際には誇張であると信じているらしいのだが、その根拠として虐殺否定派の東中野氏の本をドイツ人に読ませたいなどと書いている。これには唖然とした。東中野氏の本では南京でいわゆる便衣兵の処刑が行われたことに対してハーグ陸戦規定に則り合法であったというとんでもない解釈をしている人物である。そんな本をドイツ人が読めば、これはユダヤ人の虐殺を合法だったというのとほとんど同じ理屈だとみなされるであろう。こんな論理は世界中どこにも通用しない論理であり、日本でも秦郁彦氏や北村稔氏をはじめ右派の研究家からも批判されているのをご存じないのか?ちなみに著者は従軍慰安婦問題で秦郁彦氏の研究を例にあげて世界中に慰安婦制度はあったとして日本を弁護しているのであるが、その秦郁彦氏が自著(「南京事件」中公新書)の中で日本が中国人に対して行った虐殺とナチがユダヤ人に対して行った虐殺のどちらが悪いかということは一概にいえないと明確に語っているのをご存じないのであろうか? 著者も認めるように、現在の安部政権に対する右傾化批判はなにもドイツだけではなく、アメリカにおいても厳しい批判が底流として存在し、しかもそれは民主党だけではなく共和党内にも安倍批判が強くある。その結果、現在の日本は「戦争をいまだに反省していない手前勝手な国」として世界中からみられているという事実が存在する。これは著者がいうように決して単なる周囲の誤解ではなく、むしろそれこそが世界標準であるという事実を受け入れなければ、日本はこの先も孤立を深めるだけであるということは間違いないであろう。著者にはぜひこのあたりまえの事実に気付いてほしい。 コメント
並べ替え: 古い順 | 新しい順
このトピックの全投稿14件中11件から14件までを表示
前の投稿への返答(返答日時: 2014/04/06 18:23:52 JST )
投稿者により編集済み(最終編集日時:2014/04/06 18:38:38 JST)
[多くのお客様がこの投稿は参考にならなかったと投票しています。 投稿を再度非表示にする. (参考にならない投稿をすべて表示する)]
>あなたと私の考えは案外近いかもしれません。
たしかに思うほど距離はないかもしれませんが、あなたの場合いわゆる「愛国心」というも その点、イギリスやアメリカの歴史家(知識人全般といった方がよいかもしれませんが)と >明治は理性的な時代でした。明治の指導者は武士の出身が多く、武士的文化が大きな影響 このあたりもちょっと私の感覚とは違います。確かに明治の内村鑑三や新渡戸稲造、あるい 上記の事態へのただ一つの解明点は実は「感情」なのである。近衛公の手記に「とかく我が 補足: 最近の日本の状況をみると、満州事変の頃の雰囲気となんとなく似ているように思います。
前の投稿への返答(返答日時: 2014/04/08 9:40:55 JST )
感情論・・・ですが、日本人はつまり日本の文化においては知的な思考という点は昔からつ
投稿日: 2014/09/13 2:55:28 JST
投稿者により編集済み(最終編集日時:2014/09/13 3:02:28 JST)
なぜ。批判をした、ヨシオちゃん氏のコメントに答えない。批判に答えるのが義務だろう。
前の投稿への返答(返答日時: 2014/09/25 7:47:49 JST )
iwannoahoさん、まりあと申します。
私はこの本を読んでおりませんが、ヨシオちゃん氏がどんなに素晴らしいコメントを書いて |
Amazon.co.jp: ドイツで、日本と東アジアはどう報じられているか?(祥伝社新書)の julieisbestさんのレビュー