Tuesday 7 January 2014

お忍び佳子さま、一般参賀の列に マスク姿で気づかれず

お忍び佳子さま、一般参賀の列に マスク姿で気づかれず

2014年1月7日18時42分
新年恒例の一般参賀があった1月2日。8万1540人が皇居を訪れました。宮内庁によると、平成に入って2番目に多い人出だったそうです。その人波の中に、秋篠宮家の次女・佳子さま(19)の姿がありました。
 午前9時すぎ。佳子さまは同年代の女性とともに、警視庁に近い桜田門か ら皇居に歩いて向かいました。グレーっぽいダウンジャケットに細身のデニム姿。チェックのマフラーがよくお似合いでした。でも、マスクを着けているため、 周囲はだれも佳子さまとは気づきません。よく見ると、佳子さまから一定の距離を置いて、私服姿の警備関係者が同行していました。
 皇居の正門近くまで来ると、参賀に来た人たちの長い行列ができていました。入場者は荷物検査やボディーチェックを受ける必要があり、念入りに一人 一人検査されるため、なかなか前に進みません。その列に、佳子さまも一般の人たちと同様に並びました。関係者によると、佳子さまは特別扱いされることな く、所定の検査をすべて受けたそうです。
 この日、天皇、皇后両陛下や皇太子ご夫妻ら皇族方は計5回、宮殿のベランダに立ち、参賀者を出迎えました。佳子さまは早い時間から並んだものの、 初回には間に合わず、午前11時からの2回目に参加。両親の秋篠宮ご夫妻、姉の眞子さま(22)が手をふる様子を宮殿東庭から見学しました。
 なぜ佳子さまはお忍びで一般参賀に訪れたのでしょうか。佳子さまは今年12月で20歳になります。来年1月2日の一般参賀には成年皇族としてベラ ンダに立つことになるわけです。それに先だち、一般の参賀者側から様子を見ることで、「一般参賀という皇室行事の重要性を感じ取ろうとしたのでしょう」と 関係者が話していました。眞子さまも19歳の時、同様に参賀会場に足を運んだそうです。ご両親の教育方針かもしれませんが、研究熱心な姿勢に共感を覚えま した。
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 2日の一般参賀の初回には、昭和天皇の弟で皇族最高齢の三笠宮さま(98)と、妻の百合子さま(90)もベランダに立ち、にこやかに手を振っていました。三笠宮家の彬子さま(32)、高円宮家の承子さま(27)や典子さま(25)ら若い女王方も並び、華やな光景でした。
 一方、天皇陛下(80)の弟である常陸宮さま(78)の姿はありませんでした。陛下と常陸宮さまの叔父にあたる京都の門跡寺院・青蓮院の前門主、東伏見慈洽(ひがしふしみ・じごう)氏が1日朝に亡くなったため、急きょ喪に服したということでした。
 宮内庁の内規によると、陛下が喪に服すのは皇族の場合のみで、この日の予定に変更はありませんでした。しかし、陛下と皇后さま(79)は5年前に東伏見氏を見舞っていて、側近によると、亡くなったことを深く悼んでいるそうです。
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 年末から年始にかけ、皇室では様々な行事が続き、古くから受け継がれる新年の準備風景も見られました。
 宮殿や御所、皇族方が生活する宮邸には、みそかの12月30日から正月三が日まで、「春飾り」と呼ばれる大型の寄せ植え盆栽が飾られます。その準備風景が昨年12月25日、報道陣に公開されました。
 作業場所は、皇居内にある盆栽の仕立て場・大道(おおみち)庭園です。春飾りは、クロマツや竹のササ、フクジュソウなど縁起ものの草木をあしらったもの。伊万里や常滑、中国の鉢に、つぼみをつけた紅梅と白梅を主木として配置します。
 取材した時は、宮内庁庭園課の職員が、土の表面にこんもりとコケを張りつける仕上げの作業をしていました。このコケは、皇居内にある旧江戸城の石垣に生えていたもので、職員が1枚1枚はがして集めたそうです。
 春飾りは高さ数十センチのものから、宮殿に飾る高さ2メートル超のものなど、大中小の20鉢ほどを作ります。職員にとって腕の見せどころとなるの は、新年を迎える頃に、梅の花がちょうど三分咲きになるように生育状態を調整することだといいます。今シーズンはさほど寒さが厳しくなく、調整は順調だっ たそうです。
 年末の皇居の風物詩となった春飾りづくりですが、いつごろ始まったのでしょうか。担当者に聞いたところ、「孝明天皇(江戸末期)の時代には、すでに年末行事として行われていました」と教えてくれました。
 大道庭園には、宮殿や御所など皇室関連施設を彩る盆栽が所狭しと並べられています。三代将軍、徳川家光から伝わったとされる五葉松や、皇居の中で最も古いとされる樹齢600年以上の真柏(しんぱく)盆栽など貴重なものばかり。ここを1993年、クリントン米大統領夫人ヒラリーさん、デハーネ欧州共同体議長夫人のセリさん(いずれも当時)ら東京サミットで来日中の各国首脳・閣僚夫人の21人が見学に訪れました。ヒラリーさんは「非常に古い日本のものが東京の真ん中に残っているのは素晴らしいことですね」と感激した様子だったそうです。
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 皇室は元日から行事が目白押しでした。
 天皇陛下は午前5時半、御所南庭で「四方拝」(しほうはい)に臨みました。四方の神々を拝礼するもので、最も重要な祭祀(さいし)の一つです。しかし、凍えるような寒さの中で、負担が大きいとされています。
 午前11時からは宮殿で安倍晋三首相や国会議員、外交団などから順番に新年のあいさつをうけました。両陛下や皇族方は宮殿の各部屋を分刻みで回ります。
 宮内記者会には、宮殿松の間で行われた「新年祝賀の儀」が公開されました。伊吹文明衆院議長山崎正昭参院議長を筆頭に、国会議員とその配偶者が両陛下らにあいさつする場面です。天皇皇后両陛下を中心に、男性皇族と女性皇族が両側に並び、衆院議長ら に向き合いました。天皇陛下、皇太子さま(53)、秋篠宮さま(48)は燕尾服(えんびふく)姿で、勲章を着けていました。女性皇族は正装の「ローブデコ ルテ」に、きらびやかなティアラを着用していました。皇后さまは首の痛みから、昨年同様にティアラはつけませんでした。
 午後は、各国の大使夫妻からあいさつを受けました。ローマ法王庁大使はショッキングピンクのマントに丸い帽子。ペルー大使夫人は細かい柄の赤いスカートの民族衣装で、帽子には白と青の細かい柄が入っていました。黄色い絹の民族衣装に身を包んだタイ大使夫人は、左足を直角に曲げて優雅に腰をおとしてあいさつしていました。
 注目を集めていたのが、ポーランドの大使夫人。黒いロングドレスの裾に日本の着物風の鮮やかな柄が施してあり、あいさつの時に裾を広げるようなしぐさをしました。その瞬間、皇后さまがさりげなく裾に目線を落としたように見えました。
 女性大使も多く見かけました。
 米国のキャロライン・ケネディ大使は、白いジャケットに赤い細ベルトを締め、腰から下がふわっとしたシルエットになる流行の「ペプラム」スタイル。スロベニア、チェコ、リベリア、ハイチなどの女性大使も華やかな装いと堂々としたあいさつぶりで目を引いていました。(宮内庁担当 島康彦、中田絢子)